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Wednesday, 23 August 2006

たまには名せりふ

自分にとつて一番の名せりふとはなんだらうと、時々考へてみる。

一番はじめに覚えた名せりふは「しがない戀の情けが仇」だつた。云はずと知れた「死んだと思つたお富とはお釈迦様でも気がつくまい」である。最初に覚えたせゐだらうか、今でも一番覚えてゐるせりふである。

あとは黙阿弥の名せりふ。「月も朧に白魚の」とか「知らざあ云つて聞かせやせう」とか「問はれて名乗るもおこがましいが」とか。「だが待てよ」にはじまる「お月様と俺ばかり。こいつは滅多に死なれぬわえ」なんてのは云ひ訳がましく云ふこともある。

また浄瑠璃にもよいものが多い。「浅きたくみの塩冶殿」なんてたいしたせりふぢやないけれど、時々ふつと浮かんだりする。「寺子屋」には好きなものが多くて「せまじきものは宮仕へ」はもちろんだけれども、「女房喜べ せがれがお役にたつたわやい」「机の数が一脚多い」「松はつれないつれないと」とか、芝居の中身を知らないとなにがいいのかわからないやうなものもある。せりふぢやなけねどいろは送りなんて最高だと思ふ。

昨今の映画やTVドラマに足りないのは名せりふ、とは以前も書いた。
別段名句・名言でなくてもかまはない。調子のよい、ふと口をつくやうな名せりふが生まれないものだらうか。

……生まれるとしたらコマーシャルから、といふことになるのかなあ。

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