春の楽しみ
谷川浩司九段といへば敦盛でゐるのがふしぎなくらゐの棋士である。
「敦盛でゐる」といふのはすなはち「無冠でゐる」といふことだ。
指せはしないが、今のやうに将棋番組を見るやうになる前から、谷川九段といへばやつがれにとつては「強い棋士」の代名詞みたやうな存在だつた。
なぜといつて我が家でただ一人将棋を楽しむ父親がなにかにつけ「谷川は強い」「谷川は強過ぎる」と口にしてゐたせゐである。父に云はせると谷川九段は「強すぎて憎たらしい」のださうである。
その谷川九段が名人戦の挑戦者になつたといふ。
これまた指せはしないが、今から森内俊之名人との対局が楽しみで仕方がない。
対戦成績は谷川九段の二十四勝二十二敗といふからこれまた楽しみだ。
いつたいなにが楽しいのか自分でもよくわからないが、今からわくわくしてゐる。
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