新刊は何も売らない 売られるのである
「新刊が本屋で売つてゐます」
「新作ケーキが発売中です」
「ら抜き」ことばにはうるさい人々が、なぜこれに文句を云はぬのか、ふしぎでならない。
二番目はともかく一番目は、「新刊がなにを本屋で売つてゐるのか」と思はないか。
二番目だつてなぜ普通に「新作ケーキを発売中です」と云へないのだらう。
「ら抜き」ことばは、自分では使はないものの、そんなに気にはならない。
丁寧語と受動態を区別する助けになることもあるし、省略したくなる気持ちならわかるからだ。
また「よろしかつたでせうか」も、自分では使はないし、かちんとくることもあるけれども、まだ理解の範疇だ。
丁寧に話をするといふことは、ある意味遠まはしにものを云ふことでもある。目上の相手にものを頼む時は親しい相手と話をする時よりもたくさんことばを費やす。それと同時に、たとへば現在のことでも過去のやうに話したりする。英語を思ひ起こしてもらへればいい。Would you 〜? とか、Could you 〜? とか、I would be very glad 〜.とか、過去形を用ゐて話すだらう。
だが「新刊が売つてゐます」はわからない。
なぜ「新刊を売つてゐます」と云へないのか、あるいは、「新刊が売られてゐます」と云へないのか、納得できないのである。
この件についてはまちつと考へていきたい。
そのうち納得できる理由が見つかるかもしれないし。
« 手に入らない予感 | Main | 手帳のコマーシャル »
私は「よろしかったでしょうか」がどうもダメです。よろしかったも何も初めて訊いただろう、君は!と言いたくなります。
まあとはいえ自分も間違った日本語は沢山使っているんだろうとは思うのですが。
Posted by: Riko | Sunday, 25 December 2005 22:37
Rikoさん うーん、世の中には「間違ったことばづかい」というのはないのかも知れません。
大勢の人が「間違っている」と思うと間違ったことばづかいになるのかも。
しかし「ら抜きことば」はなんとなくわかるけど、実は「よろしかったでしょうか」はどこから出て来たのかちょっと謎です。
英語の翻訳なのか知らん? それとも昔からあるのか知らん?
あ、そうそう、「よろしかったでしょうか」なら我慢できるけど、「よろしかったですか」は我慢できません。
なぜでしょう。不思議です。
Posted by: 雅亮 | Sunday, 25 December 2005 23:33