おもしろすぎる……
いいのか、こんなにおもしろくて。
といふのは「拝み屋横丁顛末記 一」である。
時は平成、といふことになつてゐるが、どこか古くさいかほりのするとある横丁が舞台になつてゐる。神主・神父・陰陽師もしくは元さうした職についてゐたものが集ひ、さうした強烈な個性を持つ店子たちをうまくあしらふ年の頃三十半ばの大家がゐて、事態をかきまはす小説家と大家の甥の高校生がゐる。このあたりが主要な登場人物で、ほかに「拝み屋」たちが作り上げてしまつた霊・絹代ちやんがのりうつつた喋るカラスや江戸川乱歩の本名と同姓同名の幽霊、大家の甥に戀する女子高生なんぞも出てくる。
なんかもうしつちやかめつちやか。だがそこらへんが実におもしろい。
少し前だつたら、否、二十年も前だつたら、かういふ絵柄で女の子はまあかはいいけど主役になるほどぢやなくてジジイに異様に魅力があるやうな作風だと、「少女まんがには向きませんね」なんぞと一蹴されてゐたんぢやないかと思ふ。
たとへどんなに絵がうまくておもしろいまんがを描こうが、だ。
だが今はきちんと掲載してくれて、単行本にしてくれるところがある。
それだけ趣味が多様化してゐるといふことだらうし、そしてそれはいいことなのだと思ふ。
ちよいと試しに一巻だけ買つてみたのだが、続き、買つちやふよ、これぢやあ……。
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» 『拝み屋横丁顛末記 一~五』宮本福助著 [我楽多日誌]
こちらで「おもしろすぎる……」とあるので、思わず一巻を買ってしまった。
……面白い。お話もいいし、キャラクターもよい。
余談だが、大家さんの甥の正太郎君の幼馴染が出てきた時に、「あれ?岡崎武士の絵に似ている?」と思った。とりわけ女の子の絵が、かな。似...... [Read More]
この記事を見て買うてしまいました、拝み屋1巻。
何故に1巻だけかというと本屋に1(と最新刊)しかなかったからですが。
各々強烈な人々霊々ですね。面白いです(^^)。
ああ、明日から2巻以降を探す旅をしなくては……。
Posted by: Riko | Wednesday, 28 September 2005 00:42
おもしろすぎましたでせうか。
ちよつと最近にないヒットだと思つてゐます。
うーん、世の中にはおもしろいまんががあるものなんだなあ、と、しみじみ。
Posted by: 雅亮 | Saturday, 08 October 2005 16:22
一週間がかりでどうにか5まで揃えました。
よいですねー、拝み屋。
しかしどうやらある場所から見るとあれは少年漫画というくくりのようですね。
少年漫画のほうが、懐が広いのでしょうか。
Posted by: Riko | Sunday, 09 October 2005 03:33
いいですよね、拝み屋。
少年まんが、ですかぁ。「正義」も「勝利」もないのに?
それはジャンプに限った話ですかね。
うーん、「少女の好む少年まんが」って感じですかね。
…………自分で書いててなんだかアヤシい感じがしますね、「少女の好む少年まんが」って。
Posted by: 雅亮 | Sunday, 09 October 2005 11:05