萬年筆と柘植の櫛
もひとつあれば三題噺になりさうな題名だが。
今日、モンブランのインキが切れたのでこの機会に洗浄することにした。
なんとなくインキがかたまりやすい気がするので、まづはぬるま湯につけてみる。
何度か湯をかへると、その度にかたまつてゐたインキが溶け出してくる。
で、最後に流水で流しておしまい。
なんだかとつてもきれいになつた気がする。
一方、久しぶりに柘植の櫛を椿油につけてみることにした。
去年の暮れ、京都に行つた際に件の十三やで櫛を購入した。
話によると、二三ヶ月に一度、二日から三日ほど椿油につけるといいらしい。
汚れが落ちるとともに、櫛の状態もよくなるといふのである。
さうして使ひ込んでいくと、櫛が飴色になつていくとのこと。
二日も三日もはふつておくのはチト心配だつたりもするのだが。
さらにいへば、櫛の浸かるほど椿油を使ふのはなんだかもつたいない気がするのだが。
でもまあかうすることで長く使つていけるのなら、それでもいいかなあ、と、思つたりもする。
それになんといつても油につけてはふつておくだけだしな。
日常的に使ふものの手入れをするといふのは、精神的には落ち着いてなかなかいいものである。
自己満足かもしれないが、ま、気持ちの落ち着くことをするのはいいことだよ。うむ。
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