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Sunday, 21 August 2005

それはなにかかがちがふといふ気が

萬年筆関連のサイト・weblog を拝見すると、
「萬年筆を使ふことで、心にゆとりがもてるやうになつた」
であるとか、
「紙に字を書くことで生じる時間を忘れてゐた」
といふやうな記述を目にすることがある。
「インキの乾くのを待つあひだがいい」
とかね。

少しばかり最近のことばでいふと、「スローライフ」とでもいふのかね。さういふのを讃美してゐるやうな感じがする。

さうした記述をいくつもいくつも読んで行くうちに、
「なんかね、さういふの、やめませんか」
といふ気分になつてしまふ。

かういふ勧め方つて、一過性になつてしまふやうな気がしてならないからだ。

萬年筆に入れ込むやうになつて一年二年といつたところのやつがれだが、愛用の萬年筆には数年使ひ込んでゐるものがある。店頭で試し書きして惚れ込んだ、といふ話はもうくどいほど書いてゐるのでそれまでにするが、なんでずつと使ひ続けてゐるかといふと、それは「書きやすいから」「書いてゐて気持ちいいから」だ。

文房具は道具である。
その役目を果たさなければ、いくらのんびりした時間を過ごせたり、紙に字を書くといふ「ノスタルジア(ちなみにやつがれはかうした気持ちとも無縁だ。紙に字を書くのは日常だからだ)」をうたふのも結構だが、それだけだと「ただのファッション」「一時的な流行」で終はつてしまふんぢやないかと心配でならない。

だつて廃れたら入手しにくくなつてしまふではないか。

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