西の国に参ります
つまり「死にます」といふことだ。
だが玄奘三蔵は帰つてきた。
さぞかし屈強なお坊さんだつたのだらう。
といふわけで、最近「西遊記」を読んでゐる。岩波文庫版だ。
最初、「こんなに読みやすかつたかなあ」と思つたら、訳者がかはつてゐたんだね。世間知らずですまん。
しかし今更ながらに思ふのだが、よくぞ悟空や悟能や悟浄はあの三蔵についていつたよなあ。だつてはつきりいつて「バカ」ぢやん。
……いや、実際はさうではなかつたのだらうが、「西遊記」に出てくる玄奘三蔵はとにかく手に負へない「困つたちやん」である。これなら天界を騒がせてゐたころの悟空の方がなんぼかましなやうな気になつてくるから不思議だ。
でもまあ、「嬰児」なんぢや仕方がないか。
それにしても長い物語つていいよね。読んでも読んでも先があつて。
もう年とつて長い話を読む体力はないかと思つてゐたがさうでもないらしい。
よかつたよかつた。
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