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Saturday, 14 May 2005

演出家

ひどくだるくてたまらなかつたが。
芝居に行く。
即時報告はこちらでやつてゐるので、感想をば。

「野田版・研ぎ辰の討たれ」については、初演当時から悪評が多かつたやうに思ふ。
特に古くからの芝居好きの人などは web 上で「あれは歌舞伎ぢやないよ」と云つてゐた。
成駒屋の武家の娘ふたりが武家の娘らしくないとか、そんなやうな論調も見た。

ところでこれも初演を見た時に書いたことだが、はつきり云つて中村屋に関しては本家本元・木村錦花の「研ぎ辰の討たれ」をやつた時よりずつとよかつた。
それは今回もかはらない。

確か新橋演舞場だつたと思ふのだが、この時の「研ぎ辰」はひどいものだつた。主に中村屋が。
おそらく、「研ぎ辰の討たれ」は中村屋向きの芝居なのである。そして、それ故に中村屋の弱点が出やすい芝居でもある。
中村屋の弱点とは、すなはち「走り出したら歯止めがきかない」ところである。
もう客に受けてると思つたらそのまま突つ走つてしまひ、やり過ぎてしまひ、ひいては舞台全体をぶちこはしにしてしまふのだ。
これも当時書いたことだが、「ガラスの仮面」に「舞台荒らし」といふことばが出てくる。「ガラスの仮面」の主人公・北島マヤは演劇の天才少女だが、それ故に端役なんぞで舞台に出るとほかの役者を食つてしまふのである。主役ならあるいはそれでもよからう。だが、端役がそれではいけない。
中村屋は、自分が主役の舞台でも荒らしてしまふことがある。本家本元「研ぎ辰の討たれ」がまさにそれだつた。

おそらくは演出家が入ることで、中村屋はよりよい役者になるのではないか。
野田秀樹・串田和美・渡辺えり子といつた演出家の手にかかることで、舞台荒らしになりかねない性質がよい方に向けられるのぢやないか。

そんな気がしてならない。

ちなみに、抑制のきいてゐる時の中村屋はほんとにいい役者である。これがあの舞台荒らしと同一人物といふところが、芝居のおもしろいところなのかもしれない。

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