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Wednesday, 30 March 2005

萬年筆を見て書ける

分不相応だなぁ、と我ながら思ふことがある。
例へば萬年筆。モンブランはともかく、ファーバーカステルのペルナンブコなんて分不相応もいいところぢやないかといふ気がする。

世の中、分不相応であることは不幸であることと同義だつだりする。御一新の後の話だつたと記憶するが、とある大店のお嬢さん、浮浪者をあはれに思つて豪華な反物を施さうとする。それを番頭、とどめて曰く、
「そんなことを致しましたら反物が無駄になりますし、浮浪者たちは道を誤ります」
と。

この話を聞くとブランドものを買ひ漁る人々の姿が目に浮かぶ。かの人々は自分と自分の買つたものを見比べて、「なんて自分は分不相応なものを買つてしまつたんだらう」と思ふことはないのだらうか。ないとしたらなんてうらやましい。

芝居に行くたび思ふ。この芝居はやつがれには分不相応なのではないか、と。
もつとほかに見るべき人がゐるのに、やつがれがその人の分の席を奪つてしまつたのではないか、と。
そのくせ「なぜもつといい席が取れないのだらうか」とくるほしく思ふ。
なんたる矛盾。

今、ファーバーカステルの萬年筆を目の前にして思ふ。
これもまた、もつとほかにふさはしい持ち主がゐたのではないか、と。
さう思ひながら、見苦しい字でつまらぬ文を書き殴る。

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