エロイカ
ベートーヴェンの「金」を聴きにいつてきた。
#「金」→「Au」→「英雄」→「交響曲第三番」
演奏会なんて何年ぶりだらう。ブロムシュテット最後の来日といふ噂を耳にして重たい腰をあげたのだが。
いや〜、無理して行つてよかつた。最高。
アンコール(エグモント序曲)が終はつて拍手してゐる時、「このまま天井が落ちてきて圧死したりしても、それはそれで一局だなあ」としみじみ。
「英雄」を聴くのも久しぶりだ。我が家にも媒体がないわけではないのだが、ここのところとんとご無沙汰してゐる。主に音楽を iPod で聴くようになつたからだと思ふ。今のところクラシックはハードディスクに落としてゐないからだ。
……一部を除いて。
「英雄」のやうに聴きつくしたやうな曲だと、聴いて満足するといふことがなかなかない。
それは、自分の中に自分の「英雄」があるからだ。ここはもつとゆつくり、ここはもつと急いで、ここはたつぷりと演奏してここはあつさりやりすごす。そんな基準が自分の中にある。
また個人的には「エグモント序曲」ではトップを吹いたので、それなりに勉強した曲だと思つてゐる。
さうすると、実際の演奏に相対したときに、「……な〜んかちがふ」といふ感想を抱いてしまふやうになる。はなはだ僭越だとは思へども。
だが今回の演奏はそんな小さな点に頓着することのないやうないいものだつた。
「満足」といふことばをなるべく使はないやうにしてゐる。
それは「あきらめる」に似てゐるからである。
しかし今回ばかりは心から「満足」といふことばを使ひたい。
あ〜、これでまた演奏会通ひがはじまつちやつたらどーするよ。
と、チトうれしい悩み。
#でも懐は真冬。
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