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Saturday, 29 January 2005

走れメルス

中村屋中村勘太郎が最初のせりふを口にし出した途端、時間があのころにもどる。
あのころ、劇団夢の遊眠社をはじめて見に行つたころに。

遊眠社つてかうだつたよなあ。ものすごい勢ひでせりふが流れていつて、でもなにを云つてゐるのやらさつぱりわからなくて、だけど時々わかつてそれがまたおもしろい、といふやうな。
そして見てゐる最中はとてもおもしろいのに、最後はなんとなくしんみりとかなしい。
おもしろうてやがてかなしき芝居かなつてかういふことなんだらうか。

客席にはかなりお年を召した方の姿がちらほら見られた。
隣の席の人も奥さんと孫か娘かの三人連れで、人品卑しからぬ老紳士であつた。
およそ野田秀樹の芝居が好きとか古田新太を見に来たとか河原雅彦の贔屓とか深津絵里のファンといつたやうすではない。
おそらく中村屋の贔屓筋なんだらうなあ。
さういへば目の前にも足弱の老婦人がゐたつけ。
贔屓つて大変だなあ。

とはいふものの、件の老紳士、古田新太に異様にウケてゐて、一気に親近感がたかまつたりした(^_^;)。やつぱりわかる人にはわかるんだな、あのよさが。

ところで深津絵里である。
最初、「キル」に出ると聞いたときは、「……でも、深津絵里つて野田声ぢやないよな」と、思つてゐた。
「野田声」とはやつがれが勝手に命名したもので、正式名称は「野田秀樹好み(と思はれる)の女優の声」である。
毬谷友子なんかが野田声なんぢやないかなあ、と、これまた勝手に想像してゐる。あるいは「キル」の初演でシルクを演じた羽野晶紀。
大竹しのぶは女優としてはすばらしいが、如何せん野田声ではなかつた。
そして、テレビで見るかぎり、深津絵里も野田声ではないだらうと思つてゐた。
しかし「キル」を見てびつくり。
ああ、かういふ声も出るんだね、深津絵里。
今回もテレビでは絶対聞かせないやうな野田声で喋りまくる深津絵里なのだつた。

もしかしたら「小指の思ひ出」や「さんだいめ りちやーど」の再演も見られるかもしれない。
それがほんたうになつたらこんなにうれしいことはない。

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