西側物語
「ウェストサイド物語」を上演すると聞く度に、「この配役でほんたうに大丈夫なのか?」と思ふ。
思はないことの方がめづらしいかもしれない。
なんといつてもトニーのソロだ。
「悪魔の音程」が出てくるアレである。
_Leonard Bernstein Conducts "West Side Story"_ でカレーラスがレニー・バーンスタインにさんざんしぼられてゐたアレもある。
実はやつがれ、トニーのソロ曲がとても好きだ。
何年か前、紅白歌合戦を見てゐたら "Maria" を歌つてゐる人がゐて、思はず一緒に歌つてしまつたくらゐである。
……もちろん、きちんと歌へるわけではない。
あれがきちんと歌へたらいまごろこんなところでこんなことしてないよ、ほんと。
マリアのソロでいへば "I Feel Pretty" なんかもいい。
"America" を忘れてはいけないし、ああ、実は一番好きなのは "Gee, Officer Krupke!" かもしれない。
そんなわけで、面子を見るたびに「……こりやダメだ」と天を仰ぐこと一度ならず。
なんでみんなそんなに Challenger かなあ。
それとも歴代の演じ手を見て、「あいつができたんならオレだつて」くらゐに思ふのだらうか。
まあトニーに関しては映画が最悪だつたので、みんな「こんなもん」と思つてゐるのかもしれない。
そんな風に考へられるんだとしたら、実にうらやましい限りである。
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