丸と四角
ハマナカの組ひもディスクは、発売とほぼ同時に手に入れた。確か日本ヴォーグ社刊の季刊誌「毛糸だま」に紹介されてゐたので、手芸屋の店頭を見に行つては「今か今か」と待ち構へてゐたのを記憶してゐる。
はじめて手芸屋で見かけた時、一緒に店員が作つたとおぼしき紐が飾られてゐたのだが、これが大変きれいにできてゐた。もしかしたら手芸屋ではかなり早い時期から入手して練習してゐたのでは、と思はれるくらゐきちんとした紐になつてゐた。
早速購入し、半信半疑で組みはじめてみたところ……
をを、なんと、はじめてでもそれなりに組めるではないかっっ。
組ひもに興味を抱いたのは「必殺仕事人」……では残念ながらなくて、たまたま「おしやれ工房」でとりあげてゐたのを見たからである。
テキストには、組ひもの台にはお風呂の椅子で代用できるし、糸を巻いておくおもしは紙粘土に適当な重さの石を入れて作ればいい、とあつた。
それでもちやんとできるまでにはそれなりの修養が必要である、とあつた。当然である。
ところが。
組ひもディスクはちがふ。買つてきてすぐに、やつがれの如き手の指が全部親指のやうな不器用な輩にもそれなりに人様に見せられるていどのひもが組めてしまふのである。
驚きであつた。
実際、現在愛機 Treo 90 のストラップは自分で組んだ組ひもだつたりするのだがそれはさておき。
そんなわけで、丸い形の組ひもディスクに結構満足してゐたので、四角い組ひもプレートが出てもさほど興味はなかつた。そんなに同じやうなものばかり持つてゐても仕方ないしな。
しかし、使用した人から結構いいといふ話を聞き、元来の手芸用品好きもたたつて(たたつたのか?)昨日、ユザワヤで購入してしまつた、と、かういふ次第なのである。
今朝、寝ぼけ眼で組みはじめてみたが、なんだかうまく組めない。寝起きだからかと思つてみたがさにあらず。いつまでたつてもなんだか無様な紐が組みあがつていくばかりであつた。
どうやら、組みあがつていく紐の側におもしがないのが原因のやうだつた。
……でも組ひもディスクにはおもしは特に必要なかつたがなあ。
だが、組ひもプレートは組ひもディスクより組む順番がわかりやすい。組ひもディスクの時は、作業を中断する際に次にどこからはじめるかおぼえておかなければならなかつたが、組ひもプレートは(組み方にもよるだらうが)ぱつと見たら次はどこからはじめればよいかわかる。
丸い方では丸い紐、四角い方では平たい紐が組めることになつてゐる。
まあ丸い方を使つても平たい紐は組める。だが、おそらく四角いプレートで作つた方が組む順番はわかりやすいだらう。
問題は、そんなにしよつ中紐を組む必要があるか、といふことだ。
プロミスリングなんてさうさうほしいと思ふやうなものではないだらうし。
だが、手芸をもつぱらにする人で、袋物を作るやうな人ならあつてもいいかもしれない。
袋物を作つてゐると紐がほしくなることがある。だが市販の紐にはこれといふものがない、といふやうな時、自分で作ればいいのである。
組ひもでもハマナカの製品でもないが、やつがれは一度クロバーのワンダーリリアンで自分で編んだ巾着用の紐を作つたことがある。リリアンで作つた紐は、編んだものだけあつてかなり伸びるが、組ひもなら伸びるにしてもさほどのことはあるまい。
場所も取らずに手軽にできるので、通勤の友にもよいかもしれない。
さて、次は何を作るべきか。
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