「黒い三連星」ふたたび
手帳を使ひこなせないものは PDA も使ひこなせない。逆もまた真なり。
それを体現してゐるのがやつがれである。
昨日「黒い三連星」なんてなエントリを書いたくせにこの体たらくである。
たとへばシステム手帳。
雑誌「Newton」の購読を決めたところ、当時はまだめづらしかつたシステム手帳があたつた。八穴だつたこともあつてリフィルはさほど多くなく、その後何種類かシステム手帳を試してみた。
連続使用とでもいふのだらうか、通年で使つた年数は一番多いが、一時はリフィルばかり増えすぎてあまり便利に使つてゐたといふ印象がない。
予定表は使ひやすかつたが、メモ取りにはむかなかつた。少なくともやつがれの場合は。
あるいは「超」整理手帳。
はじめて市場に出回つた時に購入し、一時使用を中断してゐたが、ASCII24 だかのアンケートに答へたところリフィルがあたつたので(こんなんばつかりや)また使つてみてゐる。
これも予定表は実に使ひやすい。おそらく今まで使つた手帳の中でも群を抜く使ひやすさだと思ふ。これもやつがれの場合は、といふ注釈が入るのかもしれないが。
しかし、やはりメモ取りにむかない。A4コピー紙 の反古をメモ用紙に使つたりしてゐたが、たとへば公衆電話で芝居の席を予約して、予約番号を書き取つたりするといふ用途には向かなかつた。案外デカいからである。
ただ、A4 の紙を折り畳んで持ち歩けるといふのは大変具合がよく、予定を書き込まなくなつてもなんとなく持ち歩いてしまつたりする。
来年のリフィルを購入するかどうするか、今悩んでゐる最中である。
あるいはクォヴァディス(正式には「クオバディス」かもしれないが許してたべ)。
お客さんが使つてゐて大層よささうだつたので購入してみた。手にしたのはミニスター。これも予定表は使ひやすいのだが……。もうおわかりであらう。メモは取れないのである。
システム手帳・「超」整理手帳・クォヴァディスに共通していへることがもうひとつある。
それは住所録が使ひづらいといふことだ。
これは会社手帳にもいへることであつた。
「超」整理手帳は Web でのサーヴィスで CVS 形式の住所録を整形して PDF 形式にしてくれたりする。これは普段 PDA で住所録を管理してゐるものには便利。さうでない人にはどうだかわからない。
住所録のどこが使ひにくいのかといふと、情報の追加・変更・削除が行ひにくい点だ。変更があつたら全項目削除して新たに追加するやうにすればいい、といふ話もあるが、さうすると順番がかはつてきてしまふ。順番がそんなに重要か、と訊く向きもあるかもしれないが、重要である。なぜ独立した住所録が五十音順になつてゐたりするのか考へてみてほしい。あれはすばやく目的の情報にたどりつけるやうになつてゐるのだ。
といふわけで。
予定表・メモ帳・住所録がそこそこ使ひやすいもの、といふことで、結局 PDA(やつがれの場合は PalmOS 機)を使ふやうになつた。
Palm だと、PalmDesktop で PC/Mac と連携して履歴の管理も楽なのだつた。それになにしろ検索が簡単で速いといふのが大きい。
しかも、しかもである。やつがれの汚い字が紙を汚すことがない。どこを見ても整然とした文字が並んでゐる。フォントも(工夫をすれば)選べる。
さうか。考へてみたら今やシステム手帳をはるかに凌いで Palm OS 機の使用年月の方が長いかもしれない。
などと書きながら、Palm 機ですら使ひこなせてゐないやつがれである。創意工夫がないからなあ……。
ああだがしかし。
紙の手帳からはやはりはなれられないのである。
以前も書いたが、やつがれは紙に字を書くことに溺してゐる。意味もなく反古紙に字を書き散らす。大抵は杜子美や李長吉、白楽天の詩の一部で、時に晩翠もある。また芝居のせりふや外題を書くのも好きだ。
字が汚いのは承知の上、書いても書いても意味のないことを延々と書き散らかす。なにか意味があるのか? ない。断じてない。
けれどもやめられないのである(/_;)。
そんなわけで、「黒い三連星」を持ち歩くことに相成る、といふわけである。
あ~あ。
でも、「使ひこなす」つてそんなに重要なことなのだらうか。
「黒い三連星」と楽しく暮らしていければそれでいいかな、と思はないでもないやつがれであつた。
#だから進歩がないんだつてば。
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