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Saturday, 14 August 2004

不機嫌な夏

「爆笑問題のススメ」を見てゐる。
悲しい思ひ出があるので一時見なかつたこともあつたが、気がつくとまた見てゐたりする。
今週のゲストはみうらじゅんで、「ああ、みうらじゅんつてやつぱりいいな」と思つた。
あまり流行語の類はつかはないやつがれだが、「マイブーム」は使ふこともある。「ボク宝」も使ひたい。

ところで少し前の話だが、小川洋子がゲストで来てゐたことがあつて、「泣ける」なにかについて語りあつてゐたことがあつた。
この時、眞鍋かをりが泣ける歌として宇多田ヒカルの歌をあげてゐたのだが……
うーん、眞鍋かをりが泣ける部分といふのはもう二十年近く前にさだまさしの歌にもあつたなあ。ただしあれは恋についてではなくて高校野球についてだつたけど。

眞鍋かをりが「泣ける」といつてゐた部分の歌詞は、「だれかの幸せの裏であの子が泣いてるよ」とかなんとか、そんなやうな内容であつた。
一方さだまさしの方はどうかといふと、「「ホームラン」とアナウンサの声がする だれかの夢が壊れる音」みたやうな内容だ。

そんなことを、高校野球を見ながらぼんやり考へてゐた。

世の中はそんなものだとわかつてはゐるのだけれど、しかし、納得がいかないことも多い。
高校野球を見ると、いつも思ひ出すことがある。

あれは学生の時、他校の楽隊と合同合宿に臨んだ時のことだ。
食事の後かなにかだつたのだらう、みながくつろいで宿のTVを見てゐた時のことだ。
丁度高校野球の中継をやつてゐて、東北にある県の代表校(どこの県かは失念した)と神奈川県代表との試合だつた。
みな、当然神奈川県代表の応援をしてゐると思つてゐた。
なぜなら神奈川県で代表校になることは、他の県の代表校になるのとわけがちがふからである。
別に神奈川県がほかの県より野球のレヴェルが高い、といふわけではない。
出場校が他都道府県に比して多すぎるのである。

よく「一票の格差」といふ。
高校野球の場合は「一校の格差」だ。

高校野球連盟といふところは、さういふことは全然気にならないらしい。都道府県によつて一校の重みがちがはうがどうしやうがかまはない、と、かういふ寸法だ。
だから高校野球は茶番だ、とやつがれは思つてゐるが、まあそれはよい。

つまり、神奈川県の代表校には他都道府県の代表校に比べてその犠牲になつた高校の数が多いわけである。
よつて、人の同情も集まりやすからうと考へたやつがれはどうやらまちがつてゐたやうだ。

TVの前の人はみな、東北にある県の代表校を応援してゐた。
仙台育英高校が優勝したことがあるとはいへ、まだまだ東北の高校が上位に食ひ込むことは少ない。
さういふ理由で、応援してゐた。

世の中は、まつたく不公平である。
二百何十校の頂点に立つ高校と、せいぜい百校ていどの頂点に立つ高校とが同じ状態で対決するのである。
そこに来るまでの試合数が多い方が不利に決まつてゐるではないか。

だが、それを声高に云ふものはない。
おそらく、楽して全国大会に出場したければ出場確率の高い県にある私立高校へ行けばいい、と思つてゐるのだらう。実際さうするものもゐるときく。

なぜそんなものをみなもてはやすのか。
なぜそんなもののために涙を流すのか。
どうしても理解できない。

理解できないといへば、オリンピックがはじまつた。
どうしても猫も杓子も「メダルメダル」といふのだらうか。
それもどう見ても取れさうもない種目に対して。
理解不能である。

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