リンクワールド
もう先週のことになるが。
囲碁将棋チャンネル土曜の「ヒカルの碁」を見てゐて何かに似てゐるのに思ひ出せない、といふことがあつた。まあよくあることだ。
土曜の「ヒカルの碁」は二話連続放送で、そのうち片方がとある登場人物がいろいろあつて中国に行く話であつた。
作中、その人物の先輩とおぼしき女性がその人物を
「シンちやん」
と呼ぶ。
これが何かに似てゐる。そこまで答へが出かかつてゐるのに、どうしてもわからない。
昨日家に届いたアワビ(チケットぴあ会報誌、とでもいはうか)を見てゐて突然思ひ出した。
水谷八重子だ。
……いや、わかる。
なーんで「ヒカルの碁」で水谷八重子なんだよ、と、文句のひとつも云ひたい。
そのお気持ちは不肖やつがれ、痛いほどわかるつもりである。
しかしその前に心配がひとつ。
水谷八重子つたら八重子ですよね? 良重ちやいまつせ。良重は良重のままでよかつたのだ。何も八重子なんか継がなくても……。
といふわけで、ここでいふ水谷八重子は水谷八重子、かつて十四世守田勘弥夫人だつたあの八重子である。
くどいか。すまぬ。
なんで「シンちやん」で八重子なのか。
確か以前中村屋が話してゐたと思ふのだが。
中村屋、ある時水谷八重子と共演したことがあるのださうな。親と子、もつといふと祖母と孫といふくらゐ年の離れたこの二人、恋人同士といふ設定であつたといふ。
さすがの中村屋にも「うまくいくんだらうか」といふやうな心配はあつたらしい。
だが実際稽古になると、それが杞憂であることが判明する。
「シンちやん」
さう云つて振り向いたその姿の可憐なことといつたら。
つてそれだけの話なんだが。
この時の、「シンちやん」の声色が八重子そつくりでなあ……。
さらに確か松嶋屋も同じ役で水谷八重子と芝居に出たことがあつたといふやうな話をしてゐて、やつぱり「シンちやん」と云つて振り向いた八重子の可愛さといつたら、といふやうな内容だつたと記憶する。
これは確か本で読んだんだつたやうな気がする。
こんな感じで全然関係ないもの同士がリンクすることつてないだらうか?
ちなみにやつがれはしよつ中こんなことばかりである。
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