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Thursday, 29 July 2004

淫すれば鈍す

キーボードから文字を打ち込むやうになつてかなりたつ。
受験が終はつて暇な時にはじめたので、かな入力である。
その前から英文タイプの真似事みたやうなことをやつてゐたので、大抵の人より英文を打つのは速い。
従つてローマ字入力を学べばよかつたのかもしれないが、一々頭の中で文章をローマ字に展開していくのが面倒だつた。さらに生半可に英文タイプなんぞをやつてゐたので、外来語(特に英語から派生したもの)をローマ字入力で打ちこめないといふのが致命的で、自然とかなで入力するやうになつてゐた。

時々、ローマ字入力絶対主義な人とかゐて「どーしたもんだろ」と思つたりするが、それに反論するかな入力絶対主義者の主張にもくびをかしげることしばし。
ただ、かな入力つて圧倒的に立場が弱いんだよね。だからどうしても反応が過激になつてしまふのだと思ふ。
そこんとこ、ローマ字入力の人にもわかつてほしいな、と無理を承知で思つたり。

さて、キーボードで文字を打ち込むやうになつて、文章もどきを書くのは好きだがみづからの書く文字の汚さにほとほと嫌気がさしてゐたやつがれは「これこそが求めてゐたものかもしれない」と思つたりした。
生まれて初めて Newton MessagePad (120でした) に触れた時、みづからの書き散らした汚い筆記体の文字がみるみるうちに美しいフォントに書き変はつていく様にうつとり見惚れたことがあつたが、そんな状態に近い。

ところが。
困つたことにやつがれは、紙にペンや鉛筆で文字を書くのも好きなのである。
嗚呼。
何の因果であらうかな。

特に大して覚えてもゐない唐詩や漢文の類を書き散らすのが好きである。
職場で眠気覚ましの徒然に杜子美や李太白、白楽天に李長吉、孟浩然等等思ひつく限りの漢字を心の赴くままに書き連ねる。

ああ、なんて楽しいのだらう。

これで紙の上の字がうつくしかつたらもう云ふことはないのに。

だがほとんど漢字を書くことに淫してしまつてゐる自分には、文字の美醜を判断する冷静さがない。
昔の人も云つた。
淫すれば鈍す、と。

……さて、どこから嘘がはじまつたでせう?

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