大人になる計画つて
松尾スズキが好きである。
「たれよ、その人?」
といふ人もなからうとは思ふが、念のため書いておくと、劇団「大人計画」の人で、舞台にも立つがどつちかつてーとホン書いたり演出したりする人である。
そんなわけで、あまり「大人計画」の芝居は見に行かない。
松尾スズキはほとんど出てこないからだ。
どうやらやつがれは役者としての松尾スズキが好きらしいのである。困つたね、どーも。
「四日間の奇跡」を読み終はつて手持ちに読む本がなくなつてしまつた。
いや、_Nature_とか読めばいいんだけどね。でもなんだか物語が読みたい。物語でなければコラムめいたものでも。
といふわけで、本屋にふらつと寄つてみたら松尾スズキの著作が目に入つた。
いはく「大人失格」。
幼い頃から子供らしくないことにかけては人後に落ちなかつたやつがれだが、ついぞ大人らしいともいはれなかつた。
「子供らしくない イコール 大人らしい」ではない。
子供らしくふるまふのもイヤなら大人になるのもイヤのだから仕方がない。自然とさうなつてしまふ。
しかし、年を経ると大人らしくならざるを得ないやうな気もする。
「やうな気もする」といふあたりがもう大人らしくないことの証明になつてしまつてゐるあたり、近頃面目次第もござりませぬ(粂寺弾正風に読むこと)。
ぢやあ大人の証明は何か、といふと……うーん、松尾スズキが自身の父親に関する文章の中で書いてゐるやうに
「逃げないこと」
なのかなあ、と。
「逃げないこと」「逃げ場がないこと」
基本的にはパラノのくせに逃げることばかり考へてゐるちよつとスキゾなやつがれは、やはり大人になつてはゐないやうだ。
とりあへず「大人失格」はまだ読んでる途中。
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