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Sunday, 06 June 2004

アカドクロ

おもしろい。おもしろい芝居はおもしろい。

といふわけで「髑髏城の七人」を見てきた。
五月~六月にかけて「アカドクロ」、十月に「アオドクロ」を上演するといふのでちよつと(?)話題になつてゐる(と思はれる)、劇団☆新感線の芝居である。

どちらも配役を変へて、「アカドクロ」の主人公は古田新太が、「アオドクロ」の主人公は市川染五郎が演じることになつてゐる。

新感線の芝居をはじめて見た後、たまたま職場に新感線の大の贔屓といふ人がゐて、親切なことに劇場中継のヴィデオなどを貸してくだすつた。
その中に1997年の「髑髏城の七人」があつた。

何を隠さうやつがれは、芝居のTV中継が好きではない。昔の日誌にちよこつと書いたことがあつたが、TVのカメラマンは芝居を知らなかつたりするのである。それぢやあいい絵なんか取れつこないぢやん。
そんなやつがれが今まで見ておもしろかつたと思ふ劇場中継ものつて神谷町の道成寺だけ。しかもこれつて半ばTVで放映することを意識してたんぢやないかといふ気もするんだよなあ。

それはさておき。
しかし、しかし、「髑髏城」はおもしろかつた。
おもしろかつたし、実際に自分が劇場に足を運んで見られなかつたことが悔しくてしかたがなかつた。
とにかく話に引き込まれるし、衣装はすてきだし(極楽太夫たちの衣装は97年版の方がヒラヒラしてて好み)、立ち回りは最高だし……。
さう、あの捨之介と贋鉄斎の「切つては研ぎ研いでは切り」がもうたまらなかつた。
「うわー、澤瀉屋よりすごいや」
と思つた。

その「切つては研ぎ研いでは切り」がまた見られる。しかも生で。
ま、一部配役はちがひますが、でもそれはたいした問題ぢやない。

最初のうちこそ97年版とついつい比較してしまつたけれども、第二幕がはじまるころにはそんなことはまつたく気にならなくなつてゐた。

兵庫は97年版の方が衣装なんかはあかぬけてゐたやうに思ふ。思ふけれども、あの大首絵のやうなバランスが実にどうも様子がよくてなあ。二階席から見たらほんと、錦絵から抜け出してきたやうに見えるんではなからうか。いいよなあ。
沙霧は97年版より今回の配役の方が好み。佐藤仁美は「スサノオ」ん時も好きだつたな。

まー、細かいところはいろいろありますが、それはどんな芝居でもさうでせう。

細かくないところでいふと、やつぱり「上総介くん」が見たかつたかなー、とか。
うーん、女優さんには「物フェチ」はムリ? あるいは女優さんにはクール・ビューティかつお笑ひ系はムリなのか?
そんなことはないと思ふんだがなあ。
フォローするわけではないが、水野美紀は「アテルイ」の時の立ち回りより今回の方がずつとよくてかつこよかつた。「アテルイ」ん時は高麗屋と息があつてなかつたからな。

いや~、やつぱりよかつたなー。
それにしても「アオドクロ」はどうしやう。
高麗屋はあまりかつてゐないやつがれである。
でもなー、「上総介くん」が出るんだつたら行つちやふかもしれないなー。

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