前座は悲しからずや
世の中には、前座や二つ目がゐる。
それは落語の世界だけではない。
夕べ、しみじみさう思ひながら「ドラゴンボールZ」を見た。
ここでの前座はかつて「ピッコロ大魔王」と呼ばれ、つい先ごろ神様とやらと再度融合した人物(……人物?)である。
前座なのでいくら強くても所詮敵には勝てない。ひとまづ二つ目(多分ベジータ)につなぐ程度に場をもりあげてくれればいい。
そんな感じである。
ところで前座である。
前座になると名前がもらへる。
高座に上がれる。
前座のする噺は大抵登場人物が二人からせいぜい三人くらゐ。
下がつたあとも師匠連に茶を出したり、鳴り物を担当したりする。
ははー、なるほどね。師匠連の羽織を出したりなんだりのかはりが悟飯に頼まれて衣装を出す、あの場面につながるわけか。
などと、納得しながら納得できずにTVを見つづける。
もういい加減おとななので(わら)、アニメーションに限らずTV番組くらゐは心乱さずに見たいものなのだが、なかなかさうもいかないあたり、近頃面目次第もござりませぬ(と、例によつてここは粂寺弾正風に読み給へ)。
ついでに、この後かつての「ピッコロ大魔王」は前座から二つ目になることなく、色物になつていく。
それもまた人生。
(つて「人」生なのかどうかは不明)
つていふか、かういふ物語の場合は普通、真打から二つ目、前座とだんだん落ちていくもののやうだ。
脇役はね。
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