毛糸まきまき
はじめて「くりくり」と「まきまき」を使用した。
うーん、楽しい。
みづから紡いだ糸を「くりくり」にかけ、「まきまき」で巻き取つたら幸せだらうなあ。
紡ぐことはないと思ふけど。
「くりくり」とはかせくり器、「まきまき」とは糸巻きである。
「くりくり」は傘の骨に似てゐる。たたんだ感じなんかはまさに骨だけの傘といつた印象。
「まきまき」は……うーん、「まきまき」は「まきまき」だなあ(^_^;)。
画像等詳細はこちら。
「くりくり」と「まきまき」を使つて何をしたかといふと、カセ状態の毛糸を玉にしたわけだ。
昨今、カセの状態で売られてゐる毛糸といふのをついぞ見かけなくなつたが、クレハの中細糸や野呂栄作の雁皮系の糸、舶来品などまだカセで売つてゐるものもある。
今回「くりくり」「まきまき」をひつぱりだしてきた所以はといふと、舶来品 Koigu の毛糸をカセから玉にするためであつた。Koigu の毛糸はカセで売られてゐるのである。
これまでは、カセ状態の毛糸を玉にする場合、両膝に糸をかけて手で巻いてゐた。
これは合理的で安価で大変よい方法なのだが、一つだけ問題があつて、途中で糸がもつれてゐる時などに切れやすかつたりするのだつた。
いや、そこは無理やりえいやと糸を引つ張らずにほどきながら巻けばいい話なのだが、しかし、両の脚も手も糸に占拠されてゐる状態ではなかなかさういふわけにもいかないといふのはチト考へてもらへばなんとなくわかると思ふ。
それでもカセ状態の毛糸をあまり購入しなかつたころはそれで十分なんとかなつてゐた。
しかし、現在手元に ROWAN Spun DK 5 カセをはじめとして、同 Spun 4ply 2 カセ、シェットランドレース用毛糸 5 カセなど、カセ状態で買つた毛糸が増えつつある。
なんで増えてゐるかといふと、「とりあへず玉にするのを待たう」といふのでおいてあるからである。
「玉にするのを待たう」つて玉にするのはやつがれ自身だからおいてあるままになつてしまつてゐるわけだ。
昨日、「かへる」したあじろ編みといひバスケット編みといふ編み方のくつ下を Koigu で編まうと決めてからの行動は自分にしては早かつた。
まづ、「くりくり」と「まきまき」を物置から出してくる。
そして、設置しやうとしたその時、問題は起こつた。
「くりくり」も「まきまき」も、テーブルの端などに固定するやうになつてゐるのである。
すなはち、どちらも自立しないといふことだ。
これには困つた。
我が家には都合二つほど、テーブルといはうか炬燵といはうかが出てゐるが、どちらも端が丸く削られてゐて、うまく「くりくり」と「まきまき」がはまらないのである。
困つた。これには心底困つた。
ミシン台でもあればいいのかもしれないが、残念ながらない。
アイロン台……はいいかもしれないが、強度に不安がある。
このまま、旧来の「膝と手」方式に頼るしかないかと思つたその瞬間、目についたのは食卓の椅子だつた。
この椅子、ベンチ型で長い。
まん中あたりに「くりくり」、端に「まきまき」を設置すれば丁度いいかもしれない。
といふわけで、台所(「ダイニング・キッチン」なのかもしれないが、台所は台所である)にぺたんと座りこんでひたすら「まきまき」の柄をまはすこと一時間半。
写真の如く、九つの毛糸だまができあがつた。
「くりくり」と「まきまき」にはコツが必要ときいてゐて、確かにそのとほりだと思ふ。「まきまき」はあまり速くまはしすぎてはいけない。途中で糸案内を移動させることで結構いい感じの毛糸だまができるが、移動させるタイミングと位置がむづかしい。
そんなわけで、今後はしばらく「くりくり」と「まきまき」を取り出すこともなからう。これだけ玉にすればね。
といふわけで、早速あじろ編みといひバスケット編みといふ編み方のくつ下 revenge 開始である。
が、それはまた別の話。
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