裏切り者その弐
といふわけで、早速 PDA Cover を編みはじめてみた。
使用してゐるのはエミーグランデの新色である。China Red とでも呼びたいやうな色。ビーズはミユキの丸大ビーズ K91。写真では今ひとつだがもつと光沢があり、ヴァニラといはうか象牙色といはうか、そんなやうな色合ひである。針はレース針の0号。
エミーグランデはこの春、久しぶりに新色を発表したが、いづれもやつがれ好みの渋い色でいい。全色ほしいのだが今のところこの赤と緑、紫が手元にある。PDA Cover がうまくいくやうだつたら色違ひで編まうかなー、と考へてゐるところ。
ところで昨日は _Knit and Crochet with Beads_ について「身近な技法が多い」といふやうなことを書いたが、申し訳ない、知らなかつた技法がたくさん出てゐる。ちやんとビーズ刺繍も出てくる。
たとへば PDA Cover ではこま編みで平編みにした時、毎段ビーズを編み入れる技法を使つてゐるが、これは今までやつたことがなかつた。毎段ビーズを入れる時は輪に編んで裏にビーズが出る技法しか使つたことがなかつた。
裏表紙を引くが、技法は16、棒針編みの作品が13、かぎ針編みの作品が10載つてゐる。
巻末にはオリジナルデザイン用にビーズを編みこんだ形の方眼紙が二種類掲載されてゐて、自分でビーズ編み込み模様をデザインする場合の解説がある。
さて、あとがき部分には、「自分の家にある毛糸は、イメルダ・マルコスの靴のコレクションにも負けないくらゐである」といふやうな記述がみられる。なんでも 2,000 pounds を超えるといふのだ。
ははー、やつぱりさうなつちやふよねー。
とはいふものの、Lily Chin はあみものを生業にしてゐるわけで、それならイメルダの靴のコレクションとはりあふくらゐ毛糸を所有してゐたとしても、それはそれ、であらう。
少し前にあみもの系blogで、毛糸をやたらと買つてしまふことへの罪悪感に関する記述を見かけた。みんなそんなものなのであらう。
同じくあとがきに、「さうした毛糸の中にも「なーんでこんなの買つちやつたんだらう」といふやうな冴へないものもあるが、かういふ毛糸をビーズとくみあはせると、Voila! なんとも素晴らしいものに変身する」といふやうなくだりもあつて、ちよつとにこにこしてしまつた。
そんなわけで、といふわけでもないのだが、はい、やつてしまひました。
今日も糸を買つてしまつた。
Anchor の 段染めレース糸10番三種類(「毛糸だま」夏号の巻末に掲載されてゐるのと同じもの)、同じく段染め刺繍糸8番を三種類、それと安売りになつてゐたDMCのBabiloの黒20番。
どーすんだよ、こんなに買つて。
でもなー、Anchor のレース糸と刺繍糸、好きなんである。刺繍糸の5番・8番はタティングレースに最適だ。DMCの同等製品よりも撚りが強いところがいい。それに段染め糸のうつくしさはほかの会社の刺繍糸にはちよつとないと思ふ。
Babiloは 同社のコルドネ・スペシャルから色糸がなくなつて(今は白と生成だけである)後、代替としてレース編みの本などでは使用されてゐるが……タティングに使ふ立場から云ふと、コルドネ・スペシャルがなつかしい、といつたところか。Babiloの30番を使つて楓(写真の子である)やブライス用のバブーシュカもどきを作つてゐるのだが、コルドネ・スペシャルといふよりはAnchorの40番みたやうな感じである。少し「ねとっ」つとした感じがする。かぎ針編みに使ふとまたちがふのかもしれない。
……こんなんでいつもとかはんないやうな感じだが、実は今も頭がくらくらしてゐる。
え、PDA Cover みたやうなの編んでるからだつて?
さもありなんさもさうず。
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