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Monday, 31 May 2004

楽しきタティング

二年ほど前までは、日曜日はスタートレックディープスペースナインとスタートレックヴォイジャーを見ながらタティングするのが至上の楽しみであつた。
DS9とVOYGERを見るともなく見てゐるかたはらの家族に何度同じことを云つたことだらう。
「かうしてゐる時が一番楽しいんだ」
と、既に云つたことがあるにもかかはらず、機会あるごとに伝へてゐたやうに思ふ。

日曜日のDS9とヴォイジャーの放映はなくなつてしまひ、楽しいと告げる家族もゐなくなつてしまつた。

それでもタティングレースは続けてゐる。

タティングレースのブレスレット

写真は Nina Libin デザインのブレスレットである。絹穴糸にガンメタルの特小ビーズを通して作つた。絹穴糸に特小ビーズの組み合はせはバランス的にかなり好きなのだが、今回はビーズの色が色だけに途中ゴミのやうに見えることもあつて参つた。
しかし、できあがつたものについてはそれなりに満足してゐる。
なにしろ軽い。
よく「つけてゐるのを忘れるくらゐ軽い」といふが、まさにそんな感じだ。
巷によくあるビーズは大抵ガラスビーズなので、たくさん使ふとかなり重たくなる。これと同じ物を丸小ビーズで作つたらそれなりに重くなるのではないか。

絹糸でタティングレースを作るのも、ビーズを取り入れるのもとても楽しい。
とか云ひながら、最近はオリムパス金票40番の白(つまり一番手に入りやすい一般的なレース糸、な)でのタティングが楽しくて楽しくてな。
通勤バスの中ではほとんどこのオリムパスの40番でタティングしてゐる。白は汚れやすいので外での作業には向かないとは思へども……つい、ね。
楽しいもんだからね。

Sunday, 30 May 2004

ドミノ倒しの中毒性

ドミノ編みは楽しい。
楽しいのだが、時間がかかる。
そんなに速い編み手ではないのでこれは結構致命的。

「ドミノ編み」といふのは丁抹でつけられた名前なのださうで、独逸では「新編み」とでもいはうか、neue stricken といふらしい。
その neue stricken をもつぱらにする HORST SCHULZ のWebページで、先日すてきなものをみつけた。

旅行用スリッパである。

ドミノ編みのスリッパ

ところで、ドミノ編みの著書をもつヴィヴィアン・ホクスブロによれば、ドミノ編みは addictive であるといふ。
これはまさにそのとほりで、一つモチーフを編んだらもうすぐ次が編みたくなつてしまふ。
結果として、(これもホクスブロの発言にあるが)ドミノ編みはほかの編み方に比べて時間がかかるが、中毒性があることによつてそれなりに早く仕上がるのではないかといふ気もする。
いづれにしても、昨日編みはじめてさらにはほかのものも編んだりしながらここまでできてゐるのでまあそんなに悪くないといつたところか。

使用してゐる糸はパピーの海島綿。たまたま余りがあつたので。スリッパにするには贅沢な糸だけどね。
使用針は二号。作り目は41目。
ドミノ編みの練習にもよからうと思つて、底と踵は引き上げ編み柄、甲部分にはビーズを編み込み、側面の三角形はレース編みとそれぞれ編み方をかへてゐる。
引き上げ編み柄は踵や底向きだと思ふ。くつ下の踵部分にすべり目を使つて裏に糸を渡すことで強化してゐるものがあるが、丁度そんな感じである。
甲のビーズはTOHOの丸大ビーズで、No401。ただの白いビーズのやうに見えるが、実際はオーロラコーティングである。ただ、このビーズ、ちよつと小さすぎる。特大でいいかなといつたところか。しかし我が家には丸大より大きいビーズといふとスワロフスキーとか樹脂の超絶特大ビーズしかなくてな。

綿の糸は毛糸に比べてやつぱりちよつと編みにくいけれども、履いてみると案外伸びていい感じである。それに、とにかく手触りがたまらなくよい。まあ足の感覚なんてたかが知れているが、それでも手触りのよいものを身に付けてゐるといふだけで気分がよい。
それに毛糸はアレルギーのある人もゐるしな。綿のアレルギーといふのはあまりきかないがやはりあるのだらうか。

それにしてもドミノ編み。いいなあ。夏用の糸でちよつと小さいものを編んでみるかなあ。

Saturday, 29 May 2004

和服の着こなし

囲碁将棋ジャーナルを見る。
相撲も終はつて放映時間を気にすることもない。
まづは囲碁の本因坊戦第二局。張本因坊中押し勝ちである。
依田名人は和装である。囲碁のタイトル戦ではあまり見ない。なかなか風格があつてよい。
石田芳夫九段の解説は結構好きである。今回、囲碁情報の時は浮かないやうすだつたが、本因坊戦の解説の時は楽しさうであつた。

んで将棋である。
やつたね、さつちやん、といふわけで、女流王将戦第三局はやつと石橋幸緒女流三段が反撃開始といつたところか。これまで中井広恵女流二冠相手に十三連敗してゐたとのことだが、これで少しふつきれるといいと思ふ。
中井女流二冠は黒地といはうかひよつとしたら少し茶がかつてゐるのだらうかといふやうな地にほのかに桃色がかつた白い花を散らしたやうな模様の和服で、これがいたくすてきであつた。中井女流二冠といへばタイトル戦の対局ではかならず和装で、これがまたよい。よいのだが、髪の毛はも少しきちんとまとめた方がいいのではないかと余計なお世話である。ちなみに今回の髪型には文句ない。
も一つ注目すべきは朝日オープン選手権最終局。
行方尚史七段の解説だと全体的には先手番がよかつたやうな感じがしたがどうだらうか。
ちなみにこちらは両対局者とも和装でしかもメガネくんである。
なぜか囲碁の棋士にはメガネくんが少ない気がするのだがどうだらうか。囲碁より将棋の方が目が悪くなりやすいのだらうか。
ま、ただ単に囲碁の棋士の方がコンタクトレンズ率が高い、とかそんなやうな理由なんだらうとは思ふが。
深浦康市朝日オープン選手権者はその名にちなんでか深い青の羽織で全体的に青系の出で立ち。なんだかえらく強さうに見えるが実際強いのだから仕方ない。
対する羽生善治名人は濃茶の羽織で全体的に茶系の出で立ち。こちらは痛々しいほど顔が白くて、「あー、こらー青系の服は着られんだらう」といつたところ。
それにしてもかういふ和装といふのは誰が選ぶのだらうか。呉服屋さんに行くと「あー、先生にはこないなのんがお似合ひですわー(つてどこの喋り方だよ)」などとすすめてくれるんだらうか。二度目に行くと「この前はあないでしたによつて今度はこないなんはどないでつしやろ」とか。
くだらない? でも気になるんだから仕方がないよな。

あみもののある生活

毛糸を買つてしまつた。

yarns_20040529.jpg


「買つてしまつた」なんぞと書くと「なんて大袈裟な」と思はれるかもしれないが、まさに一大事なのだから仕方がない。

既に一生のあひだに使ひきれるかどうかわからないくらゐの毛糸・糸を所有してゐるからである。

それなら買ふなよ、といふ向きもあらう。
前に買つたものを使ひきつてから買へよ、といふのももつともな御意見である。

しかし……やめられないんだなあ。
忙しい日々が続いたりつまらないことがあつたりすると、いつのまにか毛糸を買つてゐたりする。
最近はWebでも購入できるし、海外から取り寄せるなんてなことも可能だからますますいけない。

写真は一昨日届いたシェットランドヤーンである。
ここのところミトン編みに凝つてゐて、この毛糸でもミトンを編まうかと思つてゐるのだが。
どう見てもミトンを編む量ぢやないよな。

実は今年の正月に一年の計として「編み込み模様に挑戦する」という目標をたてた。
小学生のころからほそぼそとあみものを続けてきてゐるが、どうにも編み込み模様が苦手なのである。
今まで仕上げたことのある編み込み模様の作品といふと……うーん、帽子くらゐかもしれない。それも二つほど。
なぜ苦手なのかといふと……まあがさつだからなのだが、えうは裏に渡した糸がつれたりたはみすぎたりするのが問題なのだ。丁度いい具合に糸を渡せないのである。

まあこのままでもまつたく支障はない。だが編み込み模様といへばあみものの醍醐味の一つ。やはり無視してはとほれない。

といふわけで、今年に入つてからまづ編み込み模様入りのくつ下を編んだ。履き口に編み込みがあつて、ここがきついのなんの(>_<)。しかし、今までよりもだいぶましに仕上がつたと思ふ。

今は _Knitting Marvelous Mittens_ に載つてゐるミトンを編んでゐる。まだ片方の途中だが、これが滅法楽しい。編み込み模様つてこんなに楽しかつただらうかといつた具合。
去年までは編み込み模様を編む時は編まない糸は手にかけない方法で編んでゐたが、今年は片方は左手もう片方は右手にかけて編むやうにしてゐる。これがいいのかもしれない。

ところでシェットランドヤーンを使ふのははじめてだ。
ミトンを編むつもりであつたが……何か別のものにしやうかなあ、これだけあるのだし。
ドミノ編みもいいかもしれないなあ。

Friday, 28 May 2004

散乱

_Nature_は「へぇ~」の宝庫である。
今週号でいくと「ヒナゲシが自家受精を避けられるわけ」なんてのがめうにおもしろい。
ヒナゲシやペチュニアといつた顕花植物の受粉のメカニズムに関する記事で、普通なら植物に関心のないやつがれはこんな記事は読まないのだが、引き込まれるやうに読んでしまつた。

科学とペチュニアといへば思ひ出すのはカール・セーガンである。

「地球人と異星人との混血なんて、人間とペチュニアとの混血よりもありえない」
といふやうなことを云つたといふ。確か新潮選書から出版された本にもそんなやうなことを書いてゐた。
これは、もちろん、「スタートレック」こと「宇宙大作戦」に登場するMr.スポックを念頭に発言されたものである。

「無粋な輩」

と、やつがれが思つたとしても許してもらへるのではないかと思ふ。
そもそもヒトとチンパンジーとのあひだでさへダメなのに、わざわざペチュニアなんぞをひきあひに出さなくてもいいではないか。
それに科学的にはどうであれ、Mr.スポックの魅力は彼が情の地球人と論理のヴァルカン星人との混血であることから生じてゐる。同様にデータ少佐は彼がピノキオだから、オドーは可変種だから、ドクターは緊急医療用ホログラムだから、セヴン・オヴ・ナインは元ボーグだから、いいのである。多分。

といふわけで、どういふ意図で発言するに至つたにせよ、セーガンとやらはつまらぬ輩といふわけだ。

ところでセーガンといへばハト派で有名だつた。
どうやらめりけんの科学者には民主党を支持するものが多いらしい。
_Where the Wizards Stay Up Late_に、時の大統領アイクがDARPAに集めたコンピュータのWizardsたちに「共和党政権すなはちきみのことは支持してないよ」と云はれ、でもアイクは「それでもいいよ、働いてくれれば」みたやうなことを云つた、なんてなくだりがある。
この本、アスキー出版から翻訳が出てゐる。翻訳が出たら絶対買はうと思つてゐたが、邦題と装丁が今ひとつなので結局今に至るまで読んでゐない。
原題は素敵なのになあ。

だからやつがれは劇団四季とやらの翻訳ミュージカルは見に行かないことにしてゐる。元の歌詞の工夫がまつたく生かされてゐない歌詞をもつ歌なんか聞きたいものか。
そりや訳者の苦労は認めるし、実際大変なのだらうと思ふ。
しかし聞けども聞けども苦労のあとしかないやうなものを聞きたいだらうか? やつがれはごめんだ。
いっそのこと元の歌詞とはまつたくことなる内容の歌詞にすればいいのではないか、と思つたりもする。ま、さういふわけにもいかないのだらうなあ。
劇団四季はみづから作成したミュージカルも上演してゐるやうだが、なんとなく内容が重たさうな感じがしてこれまた避けてゐる。毎日重たいのにたまの芝居くらゐ楽しいものが見たいぢやあないか。

などと云ひつつ、子殺しものの芝居が好きだつたりする。
そんなものである。

Jazz It!

「鳥類学者のファンタジア」読了。
奥泉光は「「吾輩は猫である」」殺人事件」しか読んだことはないが、「鳥類学者の……」はタイトルを見た時にすぐ買ひだ、と思つた。
だが、山下洋輔の解説にあるやうに「チャーリー・パーカーだな」と思つたからではない。
ただなんとなく、である。
何をかくさうやつがれはタイムトラヴェルものに弱い。特に「時を隔てた関係」には無条件降伏である。
宮部みゆきの「蒲生亭事件」はさほどおもしろいとは思はなかつたが、タイムトラヴェルものにつきものの「時を隔てた関係」にはよろめいてしまつた。
「鳥類学者の……」の主役はジャズをもつばらにするピアニストで、ジャズ黎明期の巨人たちと競演する下りはとにかく圧巻。そこだけ何度も読み返してしまつたほどである。
このあたり、チトばかりコニー・ウィリスの「リメイク」を思ひ出さないでもない。

特にジャズが好き、といふわけではないが、ジャズを聞きたい気分になつてしまつた。

とか云ひながら、今BGMはマイケル・ペイリンの「樵の歌」だつたりするけれど(^_^;)。

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