Jazz It!
「鳥類学者のファンタジア」読了。
奥泉光は「「吾輩は猫である」」殺人事件」しか読んだことはないが、「鳥類学者の……」はタイトルを見た時にすぐ買ひだ、と思つた。
だが、山下洋輔の解説にあるやうに「チャーリー・パーカーだな」と思つたからではない。
ただなんとなく、である。
何をかくさうやつがれはタイムトラヴェルものに弱い。特に「時を隔てた関係」には無条件降伏である。
宮部みゆきの「蒲生亭事件」はさほどおもしろいとは思はなかつたが、タイムトラヴェルものにつきものの「時を隔てた関係」にはよろめいてしまつた。
「鳥類学者の……」の主役はジャズをもつばらにするピアニストで、ジャズ黎明期の巨人たちと競演する下りはとにかく圧巻。そこだけ何度も読み返してしまつたほどである。
このあたり、チトばかりコニー・ウィリスの「リメイク」を思ひ出さないでもない。
特にジャズが好き、といふわけではないが、ジャズを聞きたい気分になつてしまつた。
とか云ひながら、今BGMはマイケル・ペイリンの「樵の歌」だつたりするけれど(^_^;)。
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