散乱
_Nature_は「へぇ~」の宝庫である。
今週号でいくと「ヒナゲシが自家受精を避けられるわけ」なんてのがめうにおもしろい。
ヒナゲシやペチュニアといつた顕花植物の受粉のメカニズムに関する記事で、普通なら植物に関心のないやつがれはこんな記事は読まないのだが、引き込まれるやうに読んでしまつた。
科学とペチュニアといへば思ひ出すのはカール・セーガンである。
「地球人と異星人との混血なんて、人間とペチュニアとの混血よりもありえない」
といふやうなことを云つたといふ。確か新潮選書から出版された本にもそんなやうなことを書いてゐた。
これは、もちろん、「スタートレック」こと「宇宙大作戦」に登場するMr.スポックを念頭に発言されたものである。
「無粋な輩」
と、やつがれが思つたとしても許してもらへるのではないかと思ふ。
そもそもヒトとチンパンジーとのあひだでさへダメなのに、わざわざペチュニアなんぞをひきあひに出さなくてもいいではないか。
それに科学的にはどうであれ、Mr.スポックの魅力は彼が情の地球人と論理のヴァルカン星人との混血であることから生じてゐる。同様にデータ少佐は彼がピノキオだから、オドーは可変種だから、ドクターは緊急医療用ホログラムだから、セヴン・オヴ・ナインは元ボーグだから、いいのである。多分。
といふわけで、どういふ意図で発言するに至つたにせよ、セーガンとやらはつまらぬ輩といふわけだ。
ところでセーガンといへばハト派で有名だつた。
どうやらめりけんの科学者には民主党を支持するものが多いらしい。
_Where the Wizards Stay Up Late_に、時の大統領アイクがDARPAに集めたコンピュータのWizardsたちに「共和党政権すなはちきみのことは支持してないよ」と云はれ、でもアイクは「それでもいいよ、働いてくれれば」みたやうなことを云つた、なんてなくだりがある。
この本、アスキー出版から翻訳が出てゐる。翻訳が出たら絶対買はうと思つてゐたが、邦題と装丁が今ひとつなので結局今に至るまで読んでゐない。
原題は素敵なのになあ。
だからやつがれは劇団四季とやらの翻訳ミュージカルは見に行かないことにしてゐる。元の歌詞の工夫がまつたく生かされてゐない歌詞をもつ歌なんか聞きたいものか。
そりや訳者の苦労は認めるし、実際大変なのだらうと思ふ。
しかし聞けども聞けども苦労のあとしかないやうなものを聞きたいだらうか? やつがれはごめんだ。
いっそのこと元の歌詞とはまつたくことなる内容の歌詞にすればいいのではないか、と思つたりもする。ま、さういふわけにもいかないのだらうなあ。
劇団四季はみづから作成したミュージカルも上演してゐるやうだが、なんとなく内容が重たさうな感じがしてこれまた避けてゐる。毎日重たいのにたまの芝居くらゐ楽しいものが見たいぢやあないか。
などと云ひつつ、子殺しものの芝居が好きだつたりする。
そんなものである。
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