Saturday, 02 December 2023

11月の読書メーター

11月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1031
ナイス数:21

Sherlock Homesの英語 (開拓社言語・文化選書)Sherlock Homesの英語 (開拓社言語・文化選書)感想
シャーロック・ホームズものが書かれたころの英語の特徴をホームズ作品を例に解説した本。作品名はすべて原題のみなので「えーと、これは「花婿失踪事件」」とか「これは「ぶな屋敷」」などと読み解く必要がある。あと、翻訳文にちょっと首をかしげるような点が見られる。てにをはがおかしいとか、主語と述語がちょっと……とか。
これ、ドイルのほかの作品ではどうなんだろう。あるいはオスカー・ワイルドの小説(といって長編はドリアン・グレイくらいか)とか。ちょっと読み比べてみたくなる。
読了日:11月10日 著者:秋元 実治
ビジネスパーソンのための「言語技術」超入門-プレゼン・レポート・交渉の必勝法 (中公新書ラクレ, 717)ビジネスパーソンのための「言語技術」超入門-プレゼン・レポート・交渉の必勝法 (中公新書ラクレ, 717)感想
句会や歌会でやっていることはまさにここに書かれている分析そのものなのではないかと思った。著者には子どもへの教育向けや学生向けの本が多く、言語技術は大人になってしまったらもう身につけるのは無理なのだろうかと思っていたが、句会という手があったか。個人的には絵の分析が気になる。
読了日:11月19日 著者:三森 ゆりか
推し短歌入門推し短歌入門感想
「推しと呼ばれる存在がいたら世の中もっと楽しいだろうなあ」と常々思っていたら、「こんなに楽しくおもしろい世界があるんですよ」という本に出会った。この本だ。オタクは連想が得意という話もあるし、短歌とか向いているんだろう。特に「一番いいたいことはことばにしない」というあたり、オタク向きなのでは。ひとつだけ、短歌や和歌のことはよくわからないけれど、本歌取りは新古今とかから例を持ってきてもよかったんじゃないのかなあ。「オタクは引用が好き」という水玉螢之丞のことばを思い出した。
読了日:11月21日 著者:榊原紘
お客さん物語:飲食店の舞台裏と料理人の本音 (新潮新書 1011)お客さん物語:飲食店の舞台裏と料理人の本音 (新潮新書 1011)感想
まず通常の新潮新書の上にさらにカヴァがかかっていることに惹かれる。著者のWebでインタヴュー記事を読んで「自分にはない考え方をする人だ」と思ってこの本を手に取ってみた。飲食店評価サイトを見れば客が店をどう思ったかは知れるけれど、客がいろいろ感じるってことは店側だって同様なわけで、それをあらためて感じた。さらっと読めて、次に飲食店に行くのが楽しみになる本だ。
読了日:11月30日 著者:稲田 俊輔

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Wednesday, 01 November 2023

10月の読書メーター

10月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1397
ナイス数:35

ドイツ語のこころドイツ語のこころ感想
第一部が一般的なドイツ語、第二部が口語、第三部に随筆がすこし載っている。ドイツ語を勉強していた時「Ich spiele Klavier.」の「Klavier」は何格なのかと悩んだことがあって、この本ではその点等についてフランス語やロシア語、エスペラント語を参考にしながら考察している。また口語ではワク外配置が割とあるという話で、喋りながらかっちり枠構造に従うのはやはり緊張するものなのだなと思った。ドイツ語を又学ぶ機会があればその後に読み返したい。穏やかな筆致で読んでいて和んだ気分になる本でもある。
読了日:10月01日 著者:大岩 信太郎
校閲至極校閲至極感想
『校閲ガール』が「鐘乳洞」と書いてあるのをスルーしていたという最初の記事にウケて読むことにした。
職場で他人の作成した文書の誤字・脱字チェックをしていると、一番むつかしいのは如何に相手に受け入れてもらうかという点にある気がするのだが、おそらく新聞社だとそこらへんは当たり前のこととして受け取られているんだろうなあ、と思う一方で、自分が気にしすぎなのだろうかとも思う。一つ間違いを見つけると油断してそのすぐそばにある間違いに気づかないということはよくあるので気をつけたい。またオンライン講座を受けて見ようかな。
読了日:10月09日 著者:毎日新聞校閲センター
The Sign of the Four (Sherlock Holmes Book 2) (English Edition)The Sign of the Four (Sherlock Holmes Book 2) (English Edition)感想
最終盤、ワトソンの結婚を寿がないホームズが "love is an emotional thing and whatever is emotional is opposed to that true cold reason which I place above all things."というセリフを口にする。つづいて『シャーロック・ホームズの冒険』を読むと「ボヘミアの醜聞」からはじまる。よくできている(とは今だから云えるのかもしれないが)。
読了日:10月12日 著者:Sir Arthur Conan Doyle
霧を行く―句集霧を行く―句集感想
下五の字余りに違和感を感じるなと思いつつ読み始めると、上五の字余りにもなんとなく違和感があって、そういうところが眉村卓の句風なのかなあと思ったりした。あとがきのようなエッセイにも言葉の使い方が俳句のそれとはちょっと違うと指摘されたことがある、と書いてある。読み進めていくうちにこれもまた作者のリズムのようなものなのかなという気もしてくる。そう、このあとがきのようなエッセイがちょっとおもしろい。SF作家としての眉村卓に興味のある人が読んでもおもしろいのではあるまいか。
読了日:10月16日 著者:眉村 卓
俳句ミーツ短歌: 読み方・楽しみ方を案内する18章俳句ミーツ短歌: 読み方・楽しみ方を案内する18章感想
堀田季何の句集を読んでいて、定型句の心地よいリズム(というのか)を感じたので再読。短歌も俳句も作るし、俳句は無季も有季も作るし、定型もそうでないものも作るというので、意識的に作るからなのかな、と思った。
読了日:10月26日 著者:堀田 季何
さみしい夜にはペンを持て (一般書)さみしい夜にはペンを持て (一般書)感想
日記をつけていたころは毎日我ながら「よく書くことがあるな」と思いながらつけていた。あったことではなく思ったことや感じたことを書いていたからだ。それをこの本を読んでいて思い出した。三年(以上)たって読み返したときに笑い話になっているものはないけれど。当時この本があったらな、と思った。
読了日:10月30日 著者:古賀 史健

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Monday, 23 October 2023

毛糸を寄付する?

なんとなくよくなつてきてゐるつもりでゐた腱鞘炎が先週末また痛くてどうしやうもなくなつてきた。
土日と芝居見物に行く予定だつたからそれほどでもなかつたけれど、でもやはり編めないとなるとなんとなく手持ち無沙汰だ。
しかも、時間を無駄に過ごしてゐる気がする。
あみものをすると、結果としてくつ下であつたりスカーフであつたりなにがしか目に見えて手に取れる結果が出るから時間を有効に過ごせたやうな気分になるのだ。
それがまやかしなやうな気もして、それで「やつぱりあみものは時間の無駄だらうか」と悩むこともあつた。
だが、かうして編めなくなつてみると、「編んでおくのだつた……」と切実に思ふ。

このままだと毛糸はどこかに寄付するやうだらうか。
しかし寄付するにしても、着分ある毛糸はほとんどない。
大抵一玉とか二玉とかしか買はないからだ。
大物を作ることが少ないし、ひとまづ新作毛糸を試してみたくて買ふことが多かつたからだ。
そんなんでもいいのかなあ。

いづれにしても、腱鞘炎はすこしでもよくなるやうつとめてはゐる。
そのうちまた編める日が来るやうに。

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Friday, 20 October 2023

出かけたくないけどカバン

出かけるのが好きではない。
好きではないといふよりは、出かけることが負担になる。
たとへば土日の休み両日とも外出したりすると、月曜日からひどく疲れてたまらない。週の半ばくらゐには休まうかと思つてしまふくらゐだ。

出かけることに向かないのだ。
おそらく。
体力がないともいふかもしれない。
或は出かけるとその分できないことがあるのがストレスになるのかもしれない。

いづれにせよできるだけ外出は避けたい。
だといふのにカバンが好きだ。
最近はさすがにうつかり買つてしまふことも減つたが、お気に入りなのになかなか持ち出せないカバンなどもあつて、時々どうしたものやら考へてしまふ。
持ち出せない理由のひとつに、通勤時間帯の電車に乗るとカバンに傷がつくから、といふのがある。
日々の出勤に気に入つたカバンを提げて行ければ問題は解決するのになあ。

といふわけで、休みの日の外出にはどのカバンを持つたものか頭を悩ませることしきり。

なんの因果だらうか。

ところで、比較的ちいさめのカバンが好きだつたりする。
荷物はちいさい方が身軽でいい。
だが、いま日々の記録に使つてゐるのはA5サイズのMDノートである。
最低限、A5サイズのノートの入るカバンが必要だ。
しかしお気に入りの中にはA5サイズの入らないカバンもある。
どうしたものかー。

ときどき思ひ切つてMDノートは家において行くことにして、測量野帳を持つて出かけることもある。
この週末もさうするか或は。

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Thursday, 19 October 2023

短歌と俳句

今年の二月下旬、短歌を作り始めた。
きつかけは朝の連続テレビ小説『舞いあがれ!』だつたと思ふが、その以前から歌集はぼちぼち読んではゐた。
これもきつかけはNHKのTVドラマ『恋せぬふたり』だつたやうに思ふ。そこからいろいろWeb検索をするうち川野芽生にめぐりあひ、そこから派生して大滝和子やその他いまの歌人の歌集を探して読むやうになつてゐた。

おもしろかつた。
短歌つて、こんなにおもしろいんだな。
歌集を読むやうになつてよかつたと心底思ふ。
読まなければかうした作品のあることを知らずに生きてゐただらう。

歌集に比して句集はそれほど読んだことがなかつた。
東京マッハのチケットはできるだけ取るやうにしてゐたし、さういふ意味では短歌よりは俳句への興味の方が強かつたにもかかはらず、だ。
好きな句集もないではないけれども。『虎の夜食』とか、あ、成田三樹夫の句集もいい。

とはいへ、俳句はなんとなく自分に向かない気がしてゐた。
一度だけ句会に参加して、「なんかちがふ」といふ気がしたからだ。
その句会で選句された句のなかにとあるホテルを詠んだ句があつて、そのホテルを知る人からは「あのホテルでせう? すぐわかつた」と大絶讃だつたのだが、残念ながらやつがれはそのホテルには一度も行つたことがなかつた。
したがつて、その句自体を鑑賞することはできたものの、知つてゐればできたはずの見方はできなかつた。
選句つて、そんなことでされちやふんだな。
そんなこと、といふのは、参加する人たちの趣味嗜好にあつた句が選ばれるんだな、といふことだけど。
それつてなんかちがふのでは、と思つたが、後に西村麒麟が「句会で選ばれる句つてそんなもんなんですよ」といふやうなことを書いてゐるのを詠んだので、さういふものなんだらう。
世の中、人気のあるものといふのはさうしたものなのだ。

いづれにしてもそんなんで細々と歌を作つたり句を作つたりしてゐる。
二月の末に短歌を作りはじめたころ、愛知県の緒川のあたりに行く機会があつた。
このとき、二両編成の電車に乗つて見た景色から作つた歌が二首ほどある。
その歌を見てゐると、あのとき見た車窓のやうすがありありと蘇つてくる。
ちよつと不思議な感覚だつた。
日記や旅行記などにしてきちんと説明して残したものより、つたない三十一文字ていどの文の方が記憶を呼び覚ますといふのは。

世の中には言語隠蔽効果といふものがあつて、記憶をことばにすることで失はれてしまふ事実があるのだといふ。
もしかしたら、それと関係があるのかもしれない。

そんなわけで、今後もほそぼそと歌とも思へない歌や句とは云へないやうな句を作つていくんだらうといふ気がする。

さう、いまは俳句も作るのだが、それはまた別の機会に。

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Wednesday, 18 October 2023

職場で断捨離

職場から私物をある程度引き取つてこなければならない。
大きなものは書籍だが、大半は文房具である。
ぱつと見て目立つのは、ほぼ日手帳カズンのカヴァ付きのものやおなじくA5サイズのノートカヴァ、ほかに筆箱と呼びたいやうなものも含めてペンケースが複数ある。
大きなものはそんな感じで、ペンや鉛筆、鉛筆削りなど、ひとつひとつは小さいけれどたくさんあるからどうにもならなくなつてゐるものもある。

さて、どうしやう。

書籍は仕事に関係のあるものばかりだが、考へてみればここ数年使つてゐない。
かういふものに限つて捨てた途端に必要になつたりするのが常ではあるが、なに、最近はWeb検索すればどうにかなることもある。
問題は、情報が古くなつて使へなくなつてはゐるものの、いい本だつたりする場合だ。
もちろんかうした本ももうまつたく読まなくなつてはゐるのだが、だからといつて捨ててしまふ気にはならない。
最後まで考へるしかないか。

文房具については、できるだけ回収するつもりではゐる。
こちらも考へてみれば職場のロッカーに入れたままで全然使つてゐないんだから捨ててしまつてもいいといへばさうなのだが、しかし、なんかのときに取り出して気分を変へることもできる。
ただ、家にももう置き場がないといへばさうなのだが。

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Tuesday, 17 October 2023

綿の糸と絹の糸

タティングでは、栞とブレスレットとを作つてゐる最中だ。
栞はLisbeth #40で、ブレスレットは佐賀錦で作つてゐる。
最近、糸の選択は逆の方がよかつたのではないかといふ気がしてならない。

ブレスレットはクロバーの手芸&手あみ用ニットリングを使つて作つてゐる。
ニットリングに糸を結びつけていくのだが、絹糸のせゐか結んでゐてすべるのだ。
綿の糸だつたらかうではないのではあるまいか。
試してないからわからないけど。
ただ、絹糸だけあつて、結び目の光沢はとてもうつくしいし、装飾品には向いてゐる気がする。

栞の方はとくにこれといつた問題はない。
でも一緒に作つてゐるのが絹糸を使つたブレスレットのせゐか、いまひとつ光沢に欠ける気がする。
Mercerised Cotton Thread だと思ふんだけどな。
さすが絹糸、といつたところか。

ブレスレットにはハート型の諏訪部順一……ぢやなくてスワロフスキーの大玉を留め具代はりにしてゐる。
色違ひでもうひとつ作るつもりでゐる。
ニットリングに結びつけてゆくタティングもいつものタティングと違つておもしろいのだけれども、ちよつと時間のかかるのが難点かな。

ともあれ、急ぐものでなし、のんびり作ることにする。

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Monday, 16 October 2023

編みかけのままのもの

すこし前の写真などを見てゐると、「ああ、このころは編めてゐたんだなあ」と思ふ。
直近は八月二日に編み始めたベルント・ケストラーの手袋で、ハマナカの洗えるリネンでウェディング・グラヴを作るつもりだつた。
途中で腱鞘炎が再発して挫折したままだ。

夏のあひだ、手の甲の日焼けが気になつた。
たまたま五月にダイヤモンド毛糸のダイヤマフィンでおなじくベルント・ケストラーのオメネといふ手袋を編んでゐたので、これをはめて外出するやうにした。
オメネはレース編みの手袋で穴がかなり空いてゐる。しかしはめてみると案外穴が気にならない。無論、炎天下にずつと外にゐたりしたら穴の部分が日焼けしてしまふのだらうが、幸ひそんなことをする必要はなかつた。

そんなわけで、一対では足りないなと思つて麻の糸で指なし手袋を編んでみやうと思つたわけだ。
ハマナカの洗えるリネンは麻100パーセントなのださうだが、洗濯機で洗へるといふ。
そこが気になつて買つてみたんだけどなあ……。
手袋を使つてみてよささうならちよつと襟元に巻くやうなものも作つてみたいと思つてゐた。
だが、いまに至るまで編めるやうになつてはゐない。

このまま編めるやうにはならないのかな、と思ふこともある。
編めるときに編んでおけ、といふのは実に正しいことばであることよ。

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Friday, 13 October 2023

貧乏者には断捨離は向かない

衣更へといへば、2019年の秋のこと、あまり家にもゐないし余分な部屋着は捨ててしまはうといふので、必要最小限の服だけ残して処分してしまつた。
年が明けて、3月ごろにはひどく後悔した。
コロナ禍で出かけられなくなつてしまつたからだ。

もともとあまり出かけたい方ではないが、なぜか芝居見物が好きなものだから必然的に出かけざるを得なかつた。
それが、芝居といふ芝居が軒並み休演になつてしまひ、出かける必要がなくなつてしまつたのだつた。
願つたりのはずだつたが、しかし家にゐて着る服がない。まつたくないわけではないが足りない。しよつ中洗濯をするやうである。

もう二度と断捨離なんてしない。
さう心に誓つた。

いまでも部屋着は若干不足気味である。
断捨離とは、持てる人間のすることなのだとしみじみ思ふのだつた。

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Thursday, 12 October 2023

むつかしい衣更へ

「履く毛布」なるものを購入した。「着る毛布」のズボン版である。
試しに履いてみただけで汗をかきさうなくらゐあたたかい。
こんなに暑くなるとは。
実際に使へるだらうか。

さうも思ふが、使ふだらう。
冬になつたら履いてもあたたかいと感じはしても、汗をかくなどといふことはないにちがひない。

毎年五月の連休中に衣更へをする。
そのとき、麻の羽織ものをためしに羽織つてみたりすることがある。
すると、ひどく涼しい。もつといふと寒いくらゐだ。
こんなたよりないものを羽織るのだらうかと思ひつつ、実際に夏になつてから使つてみればこは如何に。
ちやんと冷房除けになるのだから驚きだ。
五月に羽織つてみたときの寒さなど微塵もない。

衣替への機会に着ないものは処分したりもするのだが、かういふことがあるとなかなかむつかしいなあ。

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